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| 東京都の「教育改革」―石原都政でいま、何が起こっているか
(
村上 義雄
)
1934年生まれの元NHK・朝日新聞記者の手になる60頁強の小著。石原都知事は選挙で圧勝した後、従来の都立4大学との協議内容を一方的に破棄し、トップダウン式の新大学構想を押し付けた。それは教育現場の意見を軽視し、新自由主義的に教育予算を削減し経済方面へ振り分け、反抗者には処罰を課し、またそれを未然に防ぐために道徳教育や管理を強化する、というやり方である。本書では、こうした石原「教育改革」(大学・高校)とそれに対する教育者・学生・市民の対抗を描いている。<P> 本書では石原改革を戦前との類似性という観点から批判している。それは確かに、石原の頭の中身という点では正しいのかもしれない。しかし、現代の教育問題は、まさしく戦後半世紀の大きな社会変動の結果生じたものであろう(イデオロギーのせいではなく!)。だとすれば、石原批判を前面に出すあまり、現代社会の分析を欠く本書の叙述は、今後の教育を考える上でやや物足りない。<BR> 現在は大きな変動期であり、既存の権利の侵害と新たな可能性の萌芽が並存している。今、どのような制度を形成するかが、今後の我々の運命を大きく規定する。口先は勇ましいが、実際に達成したことは案外大したことはなさそうな都知事の政策は、我々を果たしてより良い未来へ導くものだろうか?今、その是非が問われている。
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