「自分の赤ちゃんのことを一番よく知っているのは、世界中で母親だけなのだから、自信を持って。医者やご近所のいうことにふりまわされないがよい。」という内容を、育児の自信なんて消失しかけていた私は、涙を流しながら読んでいたことを思い出します。当時共働きで、苦しい思いもしましたが、この本の「仕事に誇りを持って、働くことに自信をもって。みんなで協力すればこどもは立派に育っていく」というアドバイスにこころが軽くなりました。親としての自信を思い起こさせてくれ、こどもの人生にたいせつなことをいまいちど考えさせてくれる、温かい本だと思います。病気についても、食事、遊びについても詳しく書かれています。また、語り口が著者のお人柄を偲ばせるように、優しいだけでなく、その表現のハッキリしたところにぷっと吹き出してしまうことも・・・。読んでいて、止まらなくなるような、親たちへの応援歌のような本です。
~10年前に海外で妻と二人だけで初めての子育てに直面したときのバイブルでした。読者にこびることも最新の医学情報に振り回されることもなく、子育てにとって何が大切なのか、何を手抜きしていいのかそのかんどころをきっちりと押さえているとことがすばらしい。ちまたの育児マニュアルや「最新」医学情報誌に振り回され子育てに不安、疲れを感じている親すべて~~に勧めたい。この本のおかげで妻も安心して働きにでられたように思います。~
大切な友人に赤ちゃんが生まれると、いつもこの本を贈っています。下のレビューにもありましたが、夫婦で読んでいるという人、旦那さまの方がハマってしまったという人が多いです。この本の最大の特長は、子どもの立場に立って、一人一人の子の個性を大事にするという姿勢が徹底していることです。初版は随分昔ですが、著者は何十年経っても変わらない、普遍的なもの、変わらぬ真実を見すえる目が備わった人物だと思います。現代に至る時代の変化を、随分昔からキャッチしていたのだなと感心させられることも多いです。大手出版社から、医師の「監修」のもとでライターが書いた育児書も多数出ていますが、医師本人の手でここまで丹念に書かれ続けてきたということに畏敬の念を禁じ得ません。この本を書き始め、その後医師として現場を退いたあとも、毎日午前中かけて、ありとあらゆる医学の本を読み続け、読者からの手紙をもとに読み手が抱く育児への疑問を盛り込み、責任をもってこの本を精緻に作り上げてきたのだと思うと、その長年に渡る作業に感動せずにはいられません。確かに、熱く私見を語っているかのように見える記述もありますが、その根底には未来を作る子どもたちへの思いが感じられるので、許容できるものだと思います。というか、この本全体の価値を思えば、そうした記述は些末な事であると思います。