子供の頃から大好きだった本です。あまりこういった思い入れの深い本の映画化というのは好きではないのですが、公開の迫る指輪物語はよくできていると思います。もちろんあれだけのストーリーですから完璧とは行きませんが・・・。あの監督が作るならの条件付ですがホビットの冒険も映画でみたいみたい気もします。
私は長らく手を付けていなかったこの物語を、最近、読みました。<BR>そして、やはり長らく再読しようとは思い立たなかった『指輪物語』を、猛然と、読み返すはめになりました。くたくたになって「中つ国」旅行から帰ってきた今、言えることが一つ。<BR>この本を読むことは、間違いなく『指輪物語』を読破する原動力になるということ。<P>ホビットは、数少ない、トールキン自身の完全オリジナルキャラクターです。この無力な小人族は、しかし、彼の世界でしばしば重要な歴史的役割を演じます。<P>それを演じるのは、ホビットの中で「変わり者」と呼ばれる類いの、ホビットらしからぬ冒険心をもつ者たち。それでいて彼らは他の種族から見れば充分すぎるくらいホビット的であり、その部分こそが彼らに重要な役割を果たさせます。<P>この自己矛盾はビルボや『指輪』の主人公フロドを苦しめますが、同時に彼らの厚味となり、その小さな存在を、トールキンワールドの象徴とならしめているような気がします。<P>ビルボは最初から最後まで、旅に対する高揚と後悔との間を言ったり来たります。邪魔者扱いされてふてたり、英雄視されて舞い上がったり、騙し騙され、危ない橋を渡り、大変な苦労をし、大きな悲しみや、達成感を味わい……。ホビット庄でのんびりパイプ草をふかしていては到底できない怒涛のような経験をします。<P>旅は、彼の人生の大部分を激変させたのは間違いないでしょう。彼は旅立ったその時、もう、他のホビット達と同じように故郷の土に還る人生を、放棄したのですから。<BR>この物語を読んで初めて、『指輪物語』において、老いたビルボが「私は死ぬ前にもう一度荒れ地が見たい。山々が見たい」と言った時の、その言葉の真の重みを知ることが出来ました。
あの有名な指輪物語への導入本です。 イギリスのファンタジー作品への入門としても使えると思います。あまりに壮大で、人が考えて書いたとは思えないほどの想像世界が広がります。 指輪物語本編は大人向けで、ちょっと読みづらかったという方は、先ずこの本から入ると、読みやすいですよ。子供から大人まで楽しめます。