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| 西郷南洲遺訓―附・手抄言志録及遺文
(
山田 済斎
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西郷隆盛の思想に触れることの出来る本です。百ページ足らずの薄い本です。一番読みやすい「遺訓」は二十ページです。<BR>この本の特徴は正漢字正仮名遣いで書かれていることです。形式はいかめしいが内容は漢文の伝統が後押ししてくれているので実に親しみやすく人生の叡知を秘めています。読んで分からない箇所もありますが気にすることはありません。<P>「誠意を持って聖賢の書を読み、その處分せられたる心を身に体し、心に験する修行いたさず、唯かようの言、かようの事と言うのみを知りたるとも、何の栓無きものなり」<BR>吉田松陰は若いから性急で難解だったりしますが、その点、西郷隆盛は落ち着いた大人の貫録があります。
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