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| 魔女狩り
(
森島 恒雄
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魔女狩りと対抗宗教改革との関連について丁寧に分かりやすく解説した好著。魔女狩りのような信じがたい暗黒世界が、背後にそれなりの<時代の理屈>をかかえていたということを教えてくれる。読後に、何かがすとんと胃の腑に落ちる思いがする一冊だ。 西洋の中世暗黒時代の魔女狩りについて、私達はその名や不条理さは聞くがどのようなことが行われていたのかということに関してはほとんど無知なのではないだろうか。 私はこの本の中でその魔女狩りというものについて、その内情をある程度把握することが出来た。つまり、この本により漠然とした魔女狩りという言葉に現実味を感じたのである。この本は、是非とも読んでもらいたい。そして、魔女裁判の論理やその背景や事情を知ってもらいたい。すると現実にはこんな事起こるわけない、とか思えなくなってしまう。そう、現実にも似たような論理や事情は存在するのである。
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