言うまでもないことですが、マーク・ピーターセン氏の本の最大の特徴は、本人が日本語で書いている点だと思います。同じ外国語を学ぶ者として、著者から読者への共感が随所に感じられます。<P>本書では、a、theの使い分け、可算名詞の単複の意味の変化、hear/listenなど似た意味の知覚動詞の区別などが解説されています。<P>とり上げられているトピックはあまり多くはありませんが、「日本人の英語(正)」と同様、英米文学・詩、川端康成などの日本文学・俳句、洋画・邦画のセリフが例文として引用され、その味わい、美点を保ったまま相互に訳す試みをとおして、文法的決まりだけでなく、語感・文感までひとつひとつ丁寧に解説されています。<P>さらに、アングロサクソン系英語・ラテン系英語のニュアンスの違い、「Toto, I have a feeling that we're not in Kansas anymore.」「He calls me Miss Spiritual Tramp of 1948.」など単なる日本語訳では日本人には分からない、英語の背景にある文化の解説が非常に興味深いです。<P>写真も加わり、前著に比べエッセイ的な親しみやすさ、読み易さが増した反面、英語学習書としての実用的な面は薄れたかもしれません。しかし、やはり良書だと思います。
他の方の書評にもあったように、この続編は、米国文化と日本文化の違いや、米国文化のバックグラウンドに関するエッセイ的な話が多く、読み物としてそれはそれで楽しいのだが、natural な英語に近づくための具体的な Tips がやや少なく、「あれ? それで何の話だっけ?」という状態になりやすい。<P>そういう意味で、前編を知っている人にはちょっと物足りないかもしれない。あるいはそういう文化のバックグラウンドを知らないと、最早英語はそれ以上上達しないよ、ということなのかもしれないが。
目からウロコものだった「日本人の英語」の続編です。<BR>あまりにも期待しすぎたためか、<BR>著者のネタが尽きてしまったのか、<BR>前回ほどのインパクトはありませんでした。<BR>それでも、<BR>この人の日本語の上手さとか、ネタの広さとか、<BR>そういうものはすごく感じられました。<BR>この人は、英語ネタにこだわらずに広く、<BR>エッセイでも書かれるとよいのではないかと思います。 <BR>「英語学習+エッセイ=この本」という感じです。