企業再生の動きに疎い自分にとって、とてもためになった。付箋を貼って読んでいたら付箋だらけになった。企業再生の現場を歩いてきた筆者ならではの、現実に即した記述がこの本の魅力である。<P>また、ターンアラウンドマネージャーをはじめとする最近の再生ビジネスを概観できるだけでなく、日本の裁判所や銀行によるこれまでの倒産処理に対する強い批判を述べている。昔の裁判所による和議法や会社更生法の運用を「羊をオオカミが群がる荒野に放つような罪深いことであった。二度とこのようなことがないようにしなければならない」という記述はその典型である。<P>読み終わって、もう一度通して読みたくなった好著でした。
企業が倒産するとは、財務的には、どのような状態か?日本企業がお金に行き詰る状況の説明、アメリカでの方法を例とした企業再生のやり方、そして倒産に関する法律の説明です。<BR>あまり、財務や法律の知識がなくても、(一応)読めました。<P>企業の再生については、どんな人が乗り込んできて、どんな財務的手法を使うか?が中心で、「どう企業を立て直すか?」の方法については、ほとんど、なかったです。<P>法律の解説は、倒産に関する各法律の内容と、その法律に従ったときの倒産の手順(?)、進み方が説明してありました。すこし、ややっこしかったです。<P>入門書レベルだと思うのですが、「ちょっとした興味」で読むには、少し大変かな?という印象でした。
産業再生機構の委員長にご就任された高木氏の著書。高木氏と同じく産業再生機構にご参加される田作氏は昔ニューヨークの会合でばったり出会い、日本にもターンアラウンドのスペシャリストが必要だという共通の認識をもたれていたそうだ。そんな両氏だが、高木氏が企業再生という著書を出されているのに対し、田作氏は事業再生という著書を書かれているところが興味深い。<BR> 肝心の内容であるが、著者の長年の経験に裏付けられた生々しい内容も散りばめられている。マスコミではあまりかかれない事であるが、企業再生(特に中小企業の場合)と暴力団とは切っても切れない関係になることを痛感した。また著者が纏められた私的整理ガイドラインについても解説されている。