写真が豊富で私にとっては写真集。<BR>フチもなくページ全面(時には見開き全面)で迫ってくる写真。美しくて死が身近なインド。少女の瞳が鋭く深くみずみずしい。男たちの目も鋭いけれどどこか乾いて。<P>若かった私に、どの写真も深く印象に残った。本を閉じても、何年か経っても、忘れられない視線とぶつかるはずです。読み返すことは滅多にないのに、手放したくない一冊になりました。
もうすでに、日本社会には生と死は混在しない。あくまで生と死は切り離されて考えられている。あるのは、あくまでも公平で単純な日本総国民は全員死刑判決をくだされているということだけだ。いつ執行されるかは分からない。でもいつかその刑は執行されるのである。そんな単純なことを分からせてくれる1冊である。僕の愛読書。印度に行きたくなる本である。
この物語は、藤原新也が二三歳くらいのときのインド放浪記である。彼と同じくらいの年齢にボクはいるけれど、このような苦難を味わったことはない。<P> インドに行きたいな、と思う。この本に、インドに行かせよう、という雰囲気はない。でも、行きたいとボクは思った。行かなきゃ、行くことが運命づけられている、感じた。