数々の読み物、映像と語り尽くされた宮本武蔵ですが、この本は少し違います。数々の伝説に対する解説のような形で読めます。司馬先生の文章が本当はこうだったのだ、その時武蔵はこういう心境であったのだ、と説得力をもって語りかけます。そして本当はそうだったんだ、と何の抵抗もなく納得してしまいます。後半にある柳生兵庫ノ助の武蔵の強さについての分析は見事という他ありません。むしろ武蔵の話を良く知っている人が読むと楽しめるでしょう。
文武両道・剣の天才!宮本武蔵の生い立ちから晩年に至るまでの数々の伝説が鮮やかに描かれています。剣の道を極めた天才らしさを見据えた文面が、鋭い切り口で語りかけてくれます。<P>佐佐木小次郎との絡み、巌流島の決闘、その後の逸話などは圧巻!<BR>「五輪書」と並行して読めば、よりリアルに楽しめます。
あまりにも有名な剣豪であるが故に、<BR>その生涯や人間に、リアルなイメージを持てずにいたのですが、<BR>この本を読んで、<BR>「ああ、やはり実在の人物だったんだなあ」<BR>という思いを強くしました。<P>冒頭で、作者も述べているとおり、<BR>もし、同じ時代に生きていたら、好きになれない人物だったでしょう。<BR>けれど、<P>それでも、誠実に資料を読み解いていく作者の筆に従って<BR>その歩み(むしろ、疾走)を追いかけていくと、<BR>やはり、骨と肉をもった人間を見つけることができると思います。