簡略な文章で、類語を違いまで紹介している。意味を調べるのではなく、異なる表現をしたい時には最適な辞典。また、必要最低限の文章で細かな違いを表現している点は、むしろ執筆活動の良い参考になるはずだ。
ある言葉の類語を見つけようと思うとき、ふたつのケースが考えられる。<BR>とにかく単語の置き換え事例を素早く発見したい場合と、その言葉の背景から理解し、概念を確立して適切な言葉を発見する場合と、ふたつである。<BR>この辞典の目的は、前者ではなく、後者にある。<BR>したがって、書名は 「類語辞典」 と言うよりもむしろ 「森羅万象概念辞典」 とした方が良いのではないかとさえ思う。まぁ、ネーミングとしては良くないが、意味からするとそのような書名になる。<P>すべての概念をコード化して表現するその発想を、一度ページをめくって体験して欲しい。日本語に関心のある人なら、一見の価値あり。
大野晋さんは、彼なしに最近の日本語ブームは語れない!というほどの人物である。<P>それはさておき、この辞書は机の上に常に置いておくことをオススメします。文章を書くときに、ちょっと難しい言葉を使って背伸びをしてみたかったり、或いは自分でうまく言いたい表現を考えられない時に非常に役に立つからです。<P>通常の「あいうえお型」の辞書では、意味を踏まえながら調べるということはできません。しかし、この辞書ではできるのです。また、意味だけでなく、その語が日常語か文章語か古風な言葉か、なども同時に調べられます。