見仏、なんて私にはさっぱり縁のないこと。と、きめてかかっている人もいるのではないだろうか。でもやっぱりそこは日本人(東アジア人というべきか)、京都や奈良、はたまた近所のお寺の仏像になんとなく、なつかしさや慈愛、もっと簡単にいってしまえば『なんかいいよなー』と思うこともしばしばでは?そんな超普通レベルの仏像ファンすら、たのしくよめちゃう最高の旅行記がこれ。まるでその国にいるような錯覚を起こさせる、いとう氏の巧みな文と、そのなかのまたまた巧みなみうら氏のコメントがいい。アジア世界をちらりとのぞき、まなべる。でもやっぱりそれ以上に、このストレートのオッサン二人のとろけるように熱く甘い友情に心奪われてしまうのだ。
アジア各国をひたすら「仏」をもとめて彷徨う、いとうさんとみうらさん。<BR>今までの海外旅行本では探し出せなかった「秘境」で微笑む「仏」。<BR>その微笑の中にいとうさんは歴史哲学を見出し、みうらさんはぷりてぃーを見出す。<BR>そしてインドでの感動的なグレイト「仏」との出会い。<BR>この一冊を読まずにはアジア旅行なんてできないぜ・と唸らせてくれるはず。<P>そして日本が「仏ロード」の最終点であることに、こそばゆい快感と、日本に「仏」を命がけで運んだ先人たちに乾杯。