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| 死刑執行人の苦悩
(
大塚 公子
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死刑囚を取り上げた本は多いが、執行する側の視点に立った本は少ないのではないだろうか。<P>世の中には様々な職業があるが、死刑執行人は小説か物語の世界の職業ではないかと思えるときがある。が、しかし死刑囚がいるからには死刑執行人も現実に存在するのだ。死刑囚が、悩み、苦しみ、怖れながら最後の瞬間を待つように、死刑執行人もまた、その最後の瞬間の訪れに苦悩している様子が、著者とのインタビューを通じて伝わってくる。死刑を受ける側も執行する側も、立場は異にしていても、どちらも苦悩を抱えている存在なのだと思った。
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