日本人と韓国人は外見が似ているが、その精神構造や物事に対する価値観はまるで異なることが多い。私自身も経験があるのだが、うかつに日本人と同じように接するとすぐトラブルが発生する。まさに近くて遠い国なのである。歴史的なしがらみもあるかもしれないが、こちらのほうがより本質的でかつ大きな問題といえるだろう。<P> 本書は韓国女性である著者が自分自身の恋愛体験や日韓の恋愛小説などを通して、両国の恋愛感の違いを浮き彫りにした書物である。<BR> 男女の出会いから始まり、結婚、そして別れに到るまで、その違いを論じた。<P> 著者によれば、その主な原因は両国がたどった歴史を背景にして、父権社会と母権社会、王皇貴族文化と庶民文化、などの違いによって生じたのだという。この独自の論法に興味を覚える方も多いであろう。<P> 一方、わが国における近年の韓国映画、ドラマブームなどから、韓国女性による意中の男性の気をひく方法や嫉妬心を静めるための方法としての呪術に興味を覚える日本女性も多いかも知れない。あるいはまた、日本人は愛の告白がへたくそだと指摘する著者に、苦笑する男性もいることだろう。ぜひ一読することをお勧めする。
異性との交際に関する、日本と韓国の文化の差を、自身の経験から大変読みやすく書かれている。<P> 純愛という言葉では韓国では存在しない。愛そのものが純愛と表現すべきものらしい。<P> 儒教国家である韓国は、異性との交際は日本ほどの自由さはない。多くの女性が最初の夫に処女をささげるというのも驚きだ。<P> 韓国人男性の女性の口説き方などもおもしろい。身近にいる韓国人に恋心を抱いている人が読めば大いに参考になりそう。<P> しかしながら、<P> これほどまでに女性に純粋さを求める韓国社会にあって、最近頻繁に見かける繁華街にたつ韓国人女性や、本国で日本の男性旅行者を相手にする女性たち。彼らはどのような立場におかれるのであろうか?<P> そんな彼女たちのことを考えると、悲しい気持ちにもなってしまう。
軍人時代、紅一点ならぬ、紅0.01点という状況の中、もてすぎた話や、引っ込み思案の青年将校との淡い恋愛の話。日韓のことを書いたものというと、語り口の固いものを想像しがちだけれど、本書は著者も「頬がほてるばかり」というほどに、ひとりの女性の恋愛体験記としても読むことができる。