ニュースで、宋姉妹の最後の一人が亡くなったという記事を読み、その後、この本を見つけ、読んでみました。このような、歴史的な人物モノには不必要に難しい言い回しを使ったりして、すごーく読みにくくなっているものがありますが、この本は、とても読みやすかったです。<P>時代に翻弄された、宗家三姉妹についての話です。<P>歴史の教科書に彼女たち三人の名前は出てきませんが、三姉妹の次女と三女の夫である、孫文と蒋介石はみんな知っていると思います。長女の夫である孔祥熙は、他の二人に比べると知名度は落ちますが、蒋介石政権の財政担当として、蒋介石を支えていたようです。<P>彼らの妻となる三人は、アメリカの大学に入り、英語だけでなく、高い教養を身につけます。そして、その語学力と教養を生かして、それぞれの花を、伴侶となった夫のもとで咲かせていきます。でも、この三輪の花は1つところに咲くことができませんでした。このような結果になってしまったのは、彼女たちが元々違う方向を向いていたのか、それとも、選んだ伴侶の影響なのか…。<P>母国である中国の情勢だけでなく、アメリカやソビエトの大国の思惑に翻弄されながら、果敢に生きる女性たちのお話です。中国の歴史の歴史に興味ある人はもちろん、女性の生き方が描かれた本が好きな人にもお勧めです。
近代中国に生まれ、孫文、蒋介石、財閥孔祥煕に嫁いだ宋家の3姉妹を描くノンフィクション。戦争、革命、中国の歴史にぴったり重なる彼女たちの人生はとにかく壮大です。そりゃ映画にもなろうというもの。富んだ家に生まれた者同士姻戚関係になることは、欧米でも日本でもよくあることですが、この動乱時期に、3人の姉妹が、この3人の夫にというところは神話的ですらあります。そしてそのうち1人はつい最近迄存命だったわけですから、その歴史の神話にも非常なリアリティがあります。しかし誰がスゴイってこの3人の両親が一番スゴイですよ、この3人を産み、育て、嫁がせたワケですからね。
「昔、中国に三人の姉妹がいた。ひとりは金を愛し、ひとりは権力を愛し、ひとりは中国を愛した・・・」<BR> <P> 現在でも取り沙汰される中国・台湾問題。その根本となったもの、また現在の中華人民共和国成立の背景までもを、歴史的人物にそれぞれ嫁いだ三人の姉妹を通して綴られるこの本は、学校の歴史の授業で年表や歴史的事件の名前を覚えるだけでは決して理解することのできない「中華人民共和国」という国をわかり易く解説してくれます。偉大なる革命家・孫文、中華民国の指導者・蒋介石、そして彼らと隣国日本との関係、また意外なほど国際化されていた大陸―<BR> <BR> 古来から日本との関係が深い割にはまだまだ知られていない隣国、中国。これからアジアを代表する経済大国となっていくであろう!!代中国の原点について理解を深めたい方におすすめです。