教科書や日本のテレビで学ぶ戦後史と、本書で描かれた歴史は同じ<BR>時代の同じ現象を照らしているとしても、スタンスが大きく異なるの<BR>で随分と捕らえ方が違っている。日本人とアメリカ人という違いもあ<BR>るだろうし、やはり占領国と被占領国という立場の違いも大きい。<BR>このギャップが、本書の最も楽しめる点。<P> さらに、この本にはタイトルのとおり裏社会の詳細な記述が平気で<BR>たくさんある。「日本がアルゼンチンタンゴを躍る日」<BR>「ヤクザリセッション」などの書物の内容を裏付けるような、表社会<BR>と裏社会の決して浅くないつながりが戦後直後から始まった具体的な<BR>経緯が取って見える。そのときの事情など、知っておきたい情報がた<BR>くさんあって、大変面白かった。<P> 今、自分達が暮!しているこの国に流れている行動様式というか文化<BR>の理解に大いに役立ちます。<P> 淡々とした文章で、最後まで貫かれた記述は、内容がセンセーショナル<BR>なのに対比して大変地味である。読み終えるのに時間がかかるが、なぜ<BR>か最後まで止められない―そんな本でした。
としておすすめです。戦後の裏社会と政治・文化のつながりをストーリー性の高さにより、一気に駆け足でたどることができます。また本書の舞台となる六本木周辺の建物は現存するので、その意味でも酒の肴にぴったりの話かと。日本という国が現在のように気味が悪いまでの清潔さを持つほんの数十年前にいかに猥雑極まりなかったのかを再認識させてくれます。
とても面白かったです。つい友人に話たくなる逸話が満載です。それを知るだけでもとても価値のある本だと思います。<BR>東京という都会が好きな人にもおすすめです。読んだあとには六本木の楽しみ方も少し変わるかも。