この本の著者はナチ党員である。著者はナチ党員であったことを矮小化しようとつとめているが、彼がオーストリアのナチ党に入党したのは1933年で、党が非合法だった時代である。非合法のナチ党に入党したのだから相当筋金入りのナチだったことはあきらかである。彼がチベットに派遣されたのは、当時チベットに影響力を持っていたイギリスに対抗して、チベットへのナチスドイツの影響力を強めるためであった。彼のチベット行きはナチの高位指導者からの指令だったのである。<BR>彼の美化された小説は真実からかけはなれたものであり、こんな本を出版すること自体、歴史に対する冒涜ではないか。出版社には猛省を求めたい。
映画化された・・というと少々ミーハー的なイメージがあるかもしれませんが、この原作はまったくそのようなことはなく、きちんと、しっかりとした内容で、50数年前の平穏な頃のチベットについて書かれています。<P>紀行文学という部類にはいるようですが、チベットの風土や土地や生活について知る風土誌としても、チベットが一国であった頃の様子を知る歴史書としても、ダライ・ラマの若き頃の伝記としても、またチベット仏教について知る仏教書としても、すばらしい一冊だと思います。<P>最近はチベットについての紀行文も多く出ていますが、その大半は著者の自慢話や自己満足に終わっているものが多く、冷静な目で落ち着いてチベットを語っているものが少ないと思いますので、この本は大変貴重な一冊だと思います。<P>ただし、現在のチベットは、この本に書かれているような独立した国ではありません。この著者ハインリヒ・ハラーが再度、チベットに赴くことができたら、現在のチベットをすばらしい文章で私たちに伝えてくれることでしょう・・それが出来ないと思われるのが残念です。
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」を観て、人生観が変わるというと<BR>言い過ぎかもしれないがとにかく(いい意味で)衝撃をうけ、本当に感動した<BR>私はこの本を求めました。<BR>注意して欲しいことは、これは映画のノベライズ作品ではなく、原作本であ<BR>って、映画はこの本をベースにしているに過ぎないということです。<P>しかし、私たちにとってそうそう馴染みのないチベットの文化について知る<BR>一助ともなるでしょう。淡々と綴られています。