NHK教育をボンヤリと見ていたら「ターミナルケア」についての番組がはじまった。ホスピスの日本人医師が出てきて「エリザベス・キューブラー・ロス」という名を何度も口にする。<BR>それが本書と出会うキッカケに。読み始めてから、大学の心理学系の講座などを受講する大学生も精読している書籍であることを知った。<P>前著の「死ぬ瞬間」が有名な著者であるが、こちらは・・・女性医師であった作家自身の生い立ち・思考の変遷・目まぐるしい人生の体験談などがベースに綴られている。第二次大戦下のヨーロッパで青春時代を過ごし、父親の反対を押し切って医師となり・・・。人生のいつの日も強い正義感と聡明な思考を持ち続けたエリザベス。<P>疾風のように命を走らせながらも、一秒一秒を大切に生きたひとりの女性の「人生」が面白い。心理学の観点だけでなく、人間の生き方を味わう書籍としても読み応えのある1冊だと思う。
君子は怪力乱神を語らずというけれど、ユングは人生の最後にUFOについて語った。私は死ぬ瞬間とかでロスを知っているつもりでいたのに、何も知らなかったのだった。この本でキュブラーロスは今までの場所から白衣をぬいで降りてきて、ひとりの同じ人間として,わからないことだらけのこの世界について,またこの世界を去っていくことについて語っている。オカルトだと言う人は言えばいいです。<BR>この本は彼女から世界への最大の贈り物だと思います。<BR>もっと売れるタイトルはなかったもんでしょうか。みんながこれを読んだら、日本はもっと住みやすくなるよ。きっと。
まさに波乱万丈というのがふさわしい。<BR>「死ぬ瞬間」などを著しターミナルケアのパイオニア<BR>として知られる医師エリザベス・キューブラー・ロスの自叙伝。<P> この本を読んで思うことは「一個人の実体験ほど<BR>人間の興味を引く話はない」ということである。<P> 私には以下のことばが強く印象に残った。<P>「名のあるグル(尊師)やババ(尊者)などいなくても<BR>人は成長できる。人生の師は子ども、末期患者、掃除婦<BR>などあらゆるかたちをとって目の前にあらわれる。<BR> だれかを助けるということに限り、世のいかなる学説や科学も<BR>他者に対して、こころを開くことを恐れないひとりの人間の<BR>力にはかなわない。」<P> これはロスが人生の中で大きな示唆を与えてくれた<BR>ある掃除婦について語っ㡊??部分である。<BR> 特に前半部は(私の好きな言葉でもある)吉川英治師の<BR>「われ以外、みな我が師である」という言葉に通じると思う。<P> ロスがどのように持論を生み出したか、その背景を知ることが<BR>できる興味深い一冊である。