正直言って、久しぶりに中身の無い本に出会った。 真面目なのか不真面目なのかすら、判別できなかった。<P> ジャンルとしては旅行記なのだろうけれど、旅行先のことにはほとんど触れらず、どこへ行っても自分のことばかり書かれている。行く先々を否定するような文章。<P> 作者のファンでない人は読まないほうが良いと思う。
この本の、背表紙や表紙・奥付などにかかれている著者名は、西原理恵子と勝谷誠彦である。しかし、中身的には、サイバラ+かっちゃん+西田氏なんだけど、どうして西田氏が著者扱いされないのだろうかというのが、すっごい疑問である。<P>サイバラは別格としても、かっちゃんと西田氏はまったく対等に執筆しており、私としては、西田氏のオタク的な面がちらちらする文章もなかなかのものだと思った。サイバラの本「むいむい」では西田氏のコラムがやや虫屋(昆虫採集を趣味とする人たちの俗称)向けのようなコラムを書いていて、虫屋のはしくれである私はいたく彼のウィットに感心したものだが(かなり楽屋落ちすぎで一般の方には理解できなかったかもしれないが)、今回もそういうノリでいて欲しかったのに、か!なりセーブされたような文章になったのは、「むいむい」のコラムがちと失敗だったと思われているのかもしれない。<P>ま、そういう少し斜めから読んでしまった私だが、そういう私にもサイバラのパワーはすごい、すごすぎると、実に圧倒された本書であった。
この作品は西原、勝谷、もう一人生物学の人、の順番で同じ出来事を別の視点で書いています。漫画家カメラマン学者の順番なわけでノリが微妙に違いますが、酒が欲しい、手前より人生うまい汁が吸いたいという強欲ぶりはさして変らず、アマゾンの人々がうつくしくより美しく感じるのです。あとがきで西原氏のだんなさんでもある、元ヘロイン中毒で今アル中のボンさんが妙にきちんとした文章を書いているのが怖いです。そんな人が真面目な文章を書いているときはきっと目が据わっています。ベトナムタイの紀行もありますが、おまけです。タイ編は忘れた忘れたとかいてページを埋めています。