このシリーズは、まず、現代語訳が書いてあるのがよい。大意を頭に入れてから読めば、古語も理解しやすい。文法をことさら詳しく説明していないのも、読みやすい。今までの古典の本は、注釈が多すぎて、読みにくくなってしまい、結局、最後まで読めず挫折していた(私だけかも)。この本は、やすやすと最後まで読めてしまう。<P>本格的に勉強したい人ではなく、中学、高校で勉強したけれど、忘れちゃったので、もう一度、日本の古典でも読んでみるか。という人にお勧めです。<BR>ちなみに私は、全巻買い、トイレで、読破しましたよ。
2001年に出版された。角川書店の「ビギナーズクラシック」の中の一冊。写真や地図、図版が豊富で、原文も現代語訳もすべてルビがふられ、現代語訳や解説がとてもわかりやすい。俳句の一つ一つにも丁寧な解説がほどこされている。「旅費」「芭蕉はグルメか」「芭蕉は忍者だった?」「芭蕉自筆本の発見」などさまざまなエピソードや研究成果が紹介され、読んでいて飽きない。(解説例:--蚤虱馬の尿する枕もと--芭蕉が泊まった農家は、母屋を仕切って馬を飼っていた。馬と家族は、同じ屋根の下に同居している。馬の放尿する音が聞えるのも当然である。寒い北国の農家では、よくある光景だった。下五の「枕もと」に、芭蕉は驚きと苦笑いをふくめている。なお「尿」は「しと」と読まれてきたが、芭蕉自筆と!される野坡本では「ばり」と傍訓があり、小児の尿「しと」と馬の尿「ばり」とを使い分けていることが確認された。そこで従来の「しと」を「ばり」に改めてみた。「ばり」には野趣満々たる俳意がこもっている。)