待望の第三巻。マチルダさん登場まで収録。この巻での見所は、アムロの名シーン,ホワイトベースクルーと避難民の描写に尽きます。若き艦長ブライトの苦悩の連続です。セントアンジェでの母子のシーンは、この巻の中でも象徴的ですね。物語として大きな進展はないけど、必要な場面の多い重要な一冊です。
なんでこいつは紫色の髪なんだろうと、ガキの頃強く思ったガルマ・ザビ登場。甘やかされた末っ子ならではの妙に屈折した姉への感情とシャアへの好意というか信頼がよく表れています。ガルマの無邪気なそれに比べると、シャアの老獪さが際立って見えます。話の流れはこの本を手にとるほとんどの人は知っていると思うので、作者がTV放送では表現できなかったと思われる細かいところに注意を払いながら、読み進めてはいかがでしょうか? マチルダさんについては次回に期待するということで。
安彦良和さんといえば、「虹色のトロツキー」とか「王道の狗」という作品も有名である。<P>もともとアニメ「機動戦士ガンダム」自体、今までのアニメとは違って政治的配色を前面に出していた作品だった。<BR>物語としてはどうしても暗く重いモノになったが、それがとても新鮮だった。<P>その「ガンダム」を、単なるロボットアニメの復刻という意味だけではなく、「虹色~」や「王道~」に見える安彦さんの持つイデオロギーみたいなモノでさらに脚色したのが「ガンダム ジ・オリジン」だと思う。<P>だから、ガンダム世代が読めば、懐かしさの中に<BR>新解釈を得られる楽しみがあるのではないだろうか?