映画「ボウリングフォーコロンバイン」や「ビッグワン」を見た後にも思ったのですが、これだけ「社会的」と言われるテーマを扱いながらもとにかくかたくない!面白い!笑える!痛快!内容もするする頭に入ってきます。後書きにもありますが、ムーアの考えは少々左寄りすぎるきらいもあったりしますが、他の意見を排除するようなことはしないし、何より色々なことに柔軟なのがこれだけ受け入れられる理由なのかなぁと思ったりします。TVで話すインテリと呼ばれる人達が、いろいろな理屈をこねて批判ばかりを連ねることもそれはそれで必要なのですが、このムーアの圧倒的な行動力を見てしまうとその存在も霞んでしまいます。文句言う前にバカ正直なまでに行動してしまうムーア、しかも「取材」なんてもんじゃなくてだいたいが超本人様にアポなしで会いにいってしまうというこの行動力。考えてる人はいても、これだけ行動できる人はいません。だから、結局考えても行動できない自分への反省もこめて、行動するムーアは本当にすごい!!!そりゃ説得力あるわ。と納得。
原著「Dude, where's my country?」はすでに米国内で前作同様のベストセラーとなり、現在も売れまくってます。待望された翻訳本とあって、書籍の到着と同時に一気に読みました。<P>まず評価したいのは、前作「アホでマヌケなアメリカ白人」で抜けていた、本文で引用されている情報ソースと注釈が巻末にキチンと翻訳掲載されていたこと。文体がやや丁寧になったこと。驚いたのは、翻訳版出版に合わせて「マイケル・ムーア日本版公式ウェブサイト」( MichaelMooreJapan.com )が開設されたこと。<P>内容については、前作を国内ベストセラーに押し上げた日本の読者にとって、本書で言及されるブッシュファミリーとビン・ラディンの関係、国民を脅迫する不気味な政策など、すでに周知の事実で新味に欠けるかもしれません。なぜなら、ムーア本のヒットによって、日本国内には書店に山積される反ブッシュ本をはじめとして、大手マスメディアも含めて、一斉にアメリカバッシングが表面化したからです。(日本人がこんなにアメリカを嫌いになるとは誰も想像しなかったのでは?)<P>いまやイラク情勢やアメリカ国内問題の正確な情報をつかむには、日本にいたほうが都合がいいかもしれません。<P>しかしブッシュ政権の独裁下で、大幅な情報操作と自由の制限がアタリマエとなったアメリカの一般市民にとって、本作は充分に衝撃的です。今後のムーア氏の活動への期待を込めて星4つ。
あらゆるメディアに報道された事実、公式資料を積み重ねながら、いかにアメリカ政府が都合良く世論をマインドコントロールしていったかを毒舌で告発。<BR> これを読めば、どうして、9.11が発端でイラクと戦争になったのか、実は今ひとつ釈然としないという、読者の疑問も見事に解決する。<P>今のアメリカ社会の1つの側面を知るに面白い書物であるだけでなく、日頃目にし、耳にする報道や情報の真偽について、自ら関心を持って考えてみようという気にさせられる一冊。<BR>面白おかしく、他人をコケにするための論法を学ぶ参考書としても◎だろう(笑)。