自閉症の子ども達と関わる中で、どうしても分からなかったことは、彼らにも心があるのか、人との関わりを求めているのかということだった。本書はまさにその答えを与えてくれた。著者は6歳時に自閉症と診断されて以来「どこか普通の人とは違う」ことに気づきながら、どこがどう違い、どこをどう変えればいいのかを深く悩み苦しみながら大人へと成長してきた。上手に人付き合いをしたくても、その方法が分からず不安に陥りパニック症状を起こす。そうした一見奇異な行動こそが、彼女の心の表現であることに気づかされたのだ。現在は動物科学博士として活躍する著者が、科学者の視点で自己の障害を語った印象的な著書。アスペルガー障害の正しい認知のためにも役立つだろう。
私はエンターテイメントとして読んでしまったのでつい☆×3を選択してしまったが、自閉症について勉強している人、若しくは何らかの関わりのある人は読んでいるべき本だと思う。<BR>自閉症患者自身が執筆した数少ない自叙伝であり、私達が自閉症患者と対峙するときに、如何に接するべきかのヒントになってくれるに違いない。<P>また、著者が幾多の社会的障壁を乗り越えて健常者と変わらない生活を送っている姿には頭が下がる思いだった。