アラブとイスラエル。ちょっと思い浮かべただけで、相当複雑な過去がある事だけは分かります。そんな複雑なことを、分かりやすい視点で読み解いたのが本書。1992年が初版というのは、新書にとっては古いと言わざるを得ませんが、古さを感じさせない点もすばらしいと思います。<P>イスラエルがなぜ建国できたのか、パレスチナはなぜ苦境に立たされているのか、アラファトはなぜ居続けるのか、その割にはなぜ力がないのか、などいくつもの疑問がすっきりします。また、冷戦がどの様に関係しているかなど、米ソ2大国の役割もはっきりします。<P>こうして10年以上も前の本を読み直しても、イスラエルとパレスチナの関係には、ここ10年間には何の進展も無かったことが分かります。今日の新聞にもイスラエルのヨルダン川西部に対する入植に対し、アメリカが債務保証額を減額する報復処置をとるとの記事がありました。<P>なるほどと、思わせる一冊です。
やっぱり日本人が書くものは、訳書より分かりやすいですよ。本の値段が安いのも○。アラブとイスラエルについて勉強したい人に、1番最初に読ませたい本です。<BR>あと、オマケとしては、イラク戦争の時にテレビを賑わしたあの放送大学の高橋先生(本書の著者)の若い頃の写真が載っています。若!(笑)
中東情勢については、分かりにくくする才能がある人が書いているのではないかと思われる悪書を数々買ってはお金を無駄にしました。ですから、この本に出会ってやっとイスラエルもアラブも分かりました。こんなに短時間で、「そうだったのか!」と納得させてくれる本は他にありません。今まで、この問題についての話題がでるとできるだけ知識がないのがばれないようにこそこそしていたのですが、この本を読んでからは自信をもって語れるようになりました。