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| 韓国は一個の哲学である―〈理〉と〈気〉の社会システム
(
小倉 紀蔵
)
まずウィドゲンシュタインの『論理哲学論考』に似せて書かれた記述形式に読者は度肝を抜かれる。<BR>しかしそのとっつきにくい記述形式に慣れて読了すれば、この本はわが国における韓国地域研究のひとつの到達点であることが理解されるはずである。<P>韓国という国を徹底的に「理気二元論」で読み解く。このようなアプローチは、二元論嫌いなポスト・モダンに慣れた読者には、大掴みすぎて乱暴に見えるかもしれない。しかし、この国の病理が、この二元論からいつまでたっても逃れられない閉塞性にあることを、この本は暗示しているようにも見える。<P>よく朝鮮半島は儒教的であると言われる。わが国では、儒教は明治の始めに福沢諭吉らによって徹底的に切!断され、またそもそもその根幹が根ずききっていなかち?たため、その発想の残滓はかの国に比べ格段に小さい。しかし、そのことによって逆に、日本人は朝鮮半島に住む人々の発想や行き方に戸惑うことが多くなった。<P>日本人は「真心をもって接すれば通じる」といった甘い他者観しか未だに持ち合わせていない。そしてそれが不可能と知ると、排除の姿勢にでる。無知に基づく親韓派と、百年後の「征韓論」が分裂したまま現出している現在において、おそらく、血を吐くようにして書かれた本書の果たす役割は大きいだろう。
朱子学の「理」と「気」という概念をキーワードに、韓国人の行動様式、韓国文化の特徴を読み解く。今までわりと感情的に語られることの多かった日韓両国の違いが、斬新な切り口により明解に説明される。
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