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| ふるさとの生活
(
宮本 常一
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古きを見つめて未来を良きものとしよう、他郷を知って故郷を理解しよう、教育者としての宮本常一は小中学生に向けて平易で静かで希望に満ちた口調で語る。さまざまな土地の暮らしのたて方や姓の分布から読む人々の移動、年中行事のいろいろを語り聞かされた子供たちは「僕達の村ではどんなふうだろう」と自然に考え進めることができたのではないだろうか。まだ遅すぎないかもしれない、見つめるべきものが残っているうちに私達はふるさとの生活を顧みよう。「それは例えばよその土地ではこんなふうですよ、あなたの土地ではどうですか」そんな問いかけがたくさん並んでいて、どこから読んでも楽しく興味深い。
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