~「終盤まで誰も死なないミステリー」という表現が作中にあったような気がしますが、まさにそんな感じ。<BR>もちろん、上下巻ですから、その辺のバランスはわきまえたもの。いつにも増して個性的なキャラクターの説明(&戯言)で一巻が終わってしまうのでは、まるで「指輪物語」の最初のような感じ。ここで挫けてはその先の面白さに行き着けません。<BR>~~<BR>もちろん、西尾維新お得意の長台詞・冗長節もまた健在。でも飽きるようなことはありませんでした。<BR>~~<BR>この話では《死線の蒼》の二つ名で呼ばれる玖渚友、《害悪細菌》兎吊木垓輔、《堕落三昧》斜道卿壱郎と個性あり過ぎな研究所員・・。もちろん、これまで以上に正体不明な「戯言遣い」も健在で、今回は冷静ボケの戯言も楽しく、すいすいと読んでしまいました。<BR>~~<BR>玖渚が自分のことを「僕様ちゃん」ではなく「私」と呼ぶ時は《死線の蒼》・・というのは、ちょっと秋せつらしているような気がしなくもないですが。<BR>(どうも、西尾維新さんはちゃーんと意識してやっているような気もしますが(笑))~
自分の知らない「玖渚友」の姿に戸惑ういーちゃんが、少し新鮮でした。<BR>今まではお気楽な印象の強かった友の暗い部分が見えてきたので、<BR>ついに私も「青色サヴァン」玖渚友の魅力に釘付け。<P>ただ、少しまわりくどいかな?という部分があり投げ出しそうになったこともまた事実。<BR>星5つでないのはその辺を考慮して。<P>しかしながらお話は面白いですし、やっぱりキャラが魅力的!<BR>最後まで読む価値があると思いますよ~。
今回の話はいーちゃんが壊れてしまうか玖渚ちゃんが更に壊れてゆくか、という感じでいつもながらに(いつも以上に)痛かった。<BR>いーちゃんの独白、戯言に、玖渚ちゃんの救われ無さに、『死線』の言葉に、読んでいるこちらの方が真っ先に壊れてしまいそうに成った。<P>今回の物語で、今まで停まっていたある『スイッチ』が入った。<P>そして玖渚ちゃんの『闇』と、いーちゃんの『罪』を垣間見た気がする。<P>これからこの二人はどうなっていくのだろう?<BR>いーちゃんは玖渚友を『壊す』のか『死線の蒼』に『終わらされ』続けるのか。<P>この二人の過去は開けてはならない箱のような気がする。<P>今回、トリック以外の真相、「真」犯人や小唄さんについてのこと等は早い段階から気付いてたんですが、そのことに西尾さんは重点置いてないと思うので全然良いと思う。<P>ミステリ作家と分類されながら、『ミステリ』と分類する作品を書いているのに『ミステリ』に捕われていない、そう云うなんと云うか、ナチュラルに規格外な西尾さんがとても凄いと思う。<P>でも、オビの『青春エンタ』と云うのには笑った。<BR>青春している登場人物が居ない気がするのだが(笑)