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| 歌舞伎手帖
(
渡辺 保
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全くの予備知識なしで歌舞伎を見に行くと(現在ではイヤホンガイドがあるとはいえ、)理解できない場面が少なくもない。そういった方には是非この本をお勧めしたい。作品のあらすじはもちろんだが、名場面や見どころがどこなのか、簡潔ではあるが的確に紹介されている。<P>歌舞伎に詳しい方にとっても名優や名人のちょっとした芸談や役の上での工夫なども紹介されており、とにかく飽きさせない。<BR>歌舞伎を見る機会が少ない人にとっても全部読み終えた後はきっと歌舞伎を見たくなること請け合いの書である。
基本的なことをわかりやすく解説しつつ、おまけ話やエピソードが交えてあり、歌舞伎を見るのがより楽しくなりました。
歌舞伎手帖
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| 劇評家として、幕内、客席ともにファンが多い渡辺保の手になる歌舞伎事典。1ページ1演目というコンパクトな構成で310作品を解題・解説した愛好家必携の歌舞伎参考書、と言い切ってもかまわないだろう。出版元が倒産して1年、絶版の危機を乗り越え、全面的に補筆された新版で復活した。 <p> 数ある歌舞伎事典の中で、本書を一押しとする理由は、著者のスタンスと個性が明確にあらわれているからだ。情熱あふれる語り口と、確固として揺るがない独自の演劇論、「情」と「理」の絶妙なバランスが、渡辺流劇評の特徴であり、魅力でもある。本書も例外ではなく、ほかの誰でもない、「保さんの」ガイドブックになっているのだ。 <p> 「何度か上演されていても作品として愚劣なものは除き」と、「凡例」からして絶好調。歯切れの良い文章で、「物語」「みどころ」「成立」「芸談」「蛇足」と読み進む。最もエキサイティングなのが「みどころ」だ。 <p> 肌の合わない鎌倉武士が憎しみ合ってついには殺し合いになる「鎌倉山」を「今日の企業や役所のどこにでもある(話)」とし、「そういうドラマを簡潔端正なせりふ劇にした」と分析する。ピカレスク物の「小猿七之助」では、「幕末の嗜好は、ほとんど現代のポルノ」と言い切る。この歯切れの良さ、現代的な視点が、類書にない魅力となっている。 <p> 高価な筋書を買うのもいいが、歌舞伎見物の友には本書を、とすすめたい。(長井好弘) |
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