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ドキュメント 戦争広告代理店―情報操作とボスニア紛争 ( 高木 徹 )

驚愕の事実。あのボスニア紛争をアメリカのPR会社が牛耳っていたなんて! <BR>クライアント(ボスニア)のために「セルビア=悪玉」のイメージ作りを進める過程は、映画のようにスリリング。<BR>しかし、なんでもかんでも勧善懲悪のハリウッド映画みたいに単純化するアメリカとは一体……それに乗せられる国際世論も問題だが。<P>にしても、この情報戦争が行われたのは10年前。インターネットや携帯電話の進化した現在、国際情勢の裏舞台で、今どんな戦争が展開しているのだろう。想像しただけで怖い。

本書を読んでもっとも示唆的だったのは、国家が遂行する「戦争」の広報を請け負うPR会社が存在することを、倫理的に断罪するのではなく冷厳な現実であり、かつ必然であるとしている点である。<P>取材対象となったPR会社は、確かにきわどいこともやってはいるが、情報操作とまで断言できるようなことはしていない。後々マスコミに暴露されるようなスキャンダルを抱え込んでいては、会社として存続していくことは不可能なのだ。<P>反対陣営のミロシェビッチ側に雇われたとしても、このPR会社は同様の緻密性と徹底性をもって確実に成果を上げていっただろうと思わせるに足るほど、「プロフェッショナル」という言葉がピタリと当てはまるような仕事ぶりなのである。だからこそ全米PR協会は賞を与えるにふさわしいと判断したのだろう。<P>国際報道機関が巧みに誘導され、その報道機関が国際世論を誘導していく。そして戦争の勝者となるか敗者となるかの鍵の一端を国際世論が握ることになった意味と重さを考えされられた。<BR>そういえば、当時千葉大学の岩田昌征教授が孤軍奮闘、「ミロシェビッチ=悪人」説の底の浅さを痛烈に批判していたのを懐かしく思い出した。

とにかく、読むと、米国がどう動くのかが見えてきて、怖かった。<BR>例えば、今イラクを攻撃したいのは、イラクが危険かどうかではないということだ。<BR>欧州が反対しようが、イスラム圏の人々が怒ろうが、イラクが査察に応じようが、<BR>国連が止めに入っても、何百万の非戦闘員が死のうが、<BR>米国世論が「やっちまえ」に染まれば、やる。やるでしょう。ほぼ確実に。<BR>それを操っているのが、広告代理店っていうのは、ブラックジョークでしかない。<BR>今まで、映画や小説ではこういう素材はあったのだが、<BR>ボスニア情勢という現実の事象で、その策謀をここまでつまびらかにされると、薄ら寒くなる。<BR>米国の信奉する、自由主義社会って、こういうものなのかと。<P>それを勲章として堂々と公開してしまう”戦争広告代理店”もすごいと思ったが、<BR>2002年いちばんの業績と賞を与えて評価する全米PR協会もすごい。<BR>読後、米国という国の非情さと、凄さに感嘆しつつ、<BR>米国発の報道を疑うようになりました。<BR>情報という奴は、多かれ少なかれ操作されるわけで、<BR>バイアスがかかっているかどうかは、オルタネイティブなものを<P>比較してくしかないんでしょう。アルジャジーラみたいにね。<BR>取材の行き届き方といい、2002年、いちばんスリリングな1冊。未読の方は、ぜひ。

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