すごく興味深い本でした。<BR>私は千葉育ちですが、こんな先進的な活動が千葉で行われていることを知らなかったですし、精神科医療という何となく諦めムードの漂う中でこれだけやる気を出して前向きに取り組んでいるということが嬉しかったです。<P>誰でも、精神病に罹る可能性がある中で、なったら終わりというような雰囲気に少し明るさが見えてきたような気がしました。<BR>あと、病棟の作りがとても興味深かったです。私は、知的障害者入所施設で働いていますが、ハードの大切さ、一つのヒントになりました。
著者は本書の冒頭で「人間社会の不可解さを突きつけてくるテーマに惹かれるのはジャーナリストの性のようなもの」と述べている。私のような`ノンフィクション好き´も同感である。一般的に精神病は治りにくいものと思われているが、本書にでてくる「千葉県精神科医療センター」の取り組みは、その常識を覆してくれる。事例も豊富で臨場感もある。このジャンルに関心のある方には、ぜひ読んでいただきたい。
ぼく自身が毎週精神科に通って薬を処方してもらっているので、その周辺の世界のことを知りたいと前々から考えており、まさにぼくの中では「待ってました」本の一冊となる。今病院で入院している患者の4人にひとりは精神病患者である、というデータには驚いた。他にも驚きに満ちた事実が続いた。本書では様々な精神の病に苦しむ人たち、その家族、医者、看護士など様々な人たちに多角的なスポットライトが当てられていて、精神病やその医療に対するこれまでの漠然としたイメージが何度も覆される思いがした。また精神科に救急病院があることも本書を読むまで知らなかった。ぼくたちは本書で扱われている事象を身近な問題として認識を改めなくてはならない。