中国の経済発展の様子、今後の予想、日本の対応など。<BR>明確な主張は、わかりやすい。さすが、コンサルタントという気がしました。が、逆に、あまりに明快すぎて、本当かなぁ?別の面もあるのでは、という気分になりました。<BR>自分で中国を、見てたくなりました。下手な旅行ガイドより、ずっと、その気にさせます。
中国という大きなくくりでみると実体をつかむのは難しい。<BR>それを地域ごとに分け、体験によるレポートで伝えている。<BR>読み進めてみると、大国の中の地域と言うよりも、<BR>強烈な個性と勢いを持った地域が集まって、一つの国を成している<BR>という印象を受ける。<P>今の中国の人たちのハングリーな精神と、危機感も伝わってくる。<P>彼らは日本の現状を見て、他山の石と自らを戒めているという。<BR>大前氏自身、日本はやがて中国の周辺国になる可能性もあると危惧している。<BR>確かにこの本から強烈なインパクトを受けた。<BR>日本が立ち止まったままでいるならば、このインパクトを<BR>まともに食らってしまうかもしれない。しかし逆に<BR>再び動き出すための活力にすることもできると思う。<P>日本企業が対決!!ているのは中国の皮をかぶった<BR>日本企業自身であるということや、統計に騙されるなという<BR>大前氏のメッセージから私は学ぶことができました。<BR>無知からくる恐怖に踊らされるのではなく、実体を捉えてることで、<BR>自分自身が受けたインパクトを力とすることを。<P>えらそうなことを書きましたが、<P>実際、勉強(経験による知識も含めて)しようって思いました。<BR>一時的なインパクトに終わらないように気をつけます。
「大前流、違った中国の見方」という解説はこの本の本質をはずしていると思う。この本はまさに大前研一氏の悲願である「道州制実現」のための理論的指導書であり、それは、第九章の地域国家論と第十章の日本経済のとるべき道を読めば明らかだ。中国の経済発展を従来とは違った切り口で分析し、その鋭い着眼点に読者は舌を巻くというのが一般的なシナリオだが「感心しました」だけではこの本は味わえない。中国を新しい道州制のモデルととらえ、その経済発展の要因も道州制の優位性の説明であるととらえれば、作者のもっとも言いたいことが理解できるというものだ。なぜ、同氏は中国にこれほどまで興味をもつのだろうか?彼の専門である道州制とボーダレス経済を実践し、経済発展を遂げつつある中国の成功をもって日本への新しい提言とする大前氏の情熱を感じる良書である。