「日本子孫基金」は、消費者が会費を出し合って基金を作り、暮らしにひそむ化学物質の遺伝毒性をテストしようと、1984年に設立された市民団体ですので、食不振のはやりものという感じはなく、実に腰をすえた一冊です。<P>日頃スーパーで手にいれることのできる食品別に、問題点・選び方・製造過程などを細かく記し、食品表示の見方・スーパーの選び方・よい食材を手に入れる方法など、危ない時代を生き抜くヒントをえることができます。企業を信用できない社会になってしまいました。自分の身体は自分の知識で守りましょう。
もし、消費者が「安い」ことだけを求めるのであれば、食の安全は二の次になるのは当たり前です。しかし「高くても安全なもの」をと範疇を広げたとたん、「本当に安全なのか、本当に信用できるのか、信用していいのか?」という疑問や精神的葛藤にさらされるため、わかりやすい「安さ第一主義」に立ち戻るというのが、普通の人のパターンではないでしょうか? 私の夫はこの典型的なパターンです。しかし子供の健康と将来と人類の未来を考えたとき、「安さ第一主義」でいいのだろうか・・・というのが私の日常的な疑問でした。この本はその判断の指針になる情報を与えてくれます。とても参考になり、怖い反面、目が覚める思いでした。
カップ麺や輸入レモンの問題等で、食の安全性を追求しつづけた日本子孫基金による報告。日本では、食品のなかには不適切なものが流通しているようだが、なぜか、それは報道されることがない。<BR>この報告では、どういう食品にどのような問題が懸念されるか明確に書かれている。たぶん読むと影響範囲があまりに広範囲であることに驚かれるだろうが、どういう食品を選べばよいかという対処方法も併記されているので参考になるだろう。特に子供は、成長段階にあるため、特に影響を受けやすく、知らぬ間に我が子に「毒」を盛らないように、ぜひ一読をお奨めしたい。現時点では自衛するしかないのである。