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負け犬の遠吠え ( 酒井 順子 )

私は30歳目前に結婚して、1年たたないうちに離婚しました。<BR>離婚したら相手の悪口を言うのはタブーだとはわかってはいるし、<BR>そんなことすれば自分が白い目で見られるだけだから言わないけれど、<BR>本音では元ダンナがやっぱり変だったと思っています。<P>結婚するのも離婚するのもそれなりに労力が要るし、<BR>離婚すれば対人関係で気をつかうこともあります。<P>自分が好きで、気の合う人と結婚できたら素晴らしいですが、<BR>周りに流されて勢いで結婚してしまった自分にちょっと後悔しています。<P>この本で生き方を変える人なんてほとんどいないと思いますが、<BR>「自分らしさ」を大切にすることの重要性には共感するし、<BR>その意味では考えさせられる本だと思います。

今は3組に1組が離婚する時代なのだから、独身者だけをとやかく言っても仕方がないと思います。離婚した女性たちの不満を聞くと、夫婦生活の不平等感を訴える人が多い。共働きでも、妻のほうが収入が少ない場合が多いから、夫も公平に家事を分担するのは抵抗を示す人も多いようです。妻のほうは家事負担が余計に自分の仕事の障害になって悪循環に陥ることになる。それで比較的若くやり直しのきく間に離婚するというのです。30代以上で独身の人は、結婚に慎重すぎる人もいると思いますが、結婚して、短期間で離婚してしまう人たちと比べれば、どっちもどっちだと思います。非婚にしろ、離婚にしろ、私は、個々人の問題というよりは現代社会のあり方にその根底の問題があるような気がするのですが・・・。

私も<負け犬>の一人。私のまわりの<負け犬>達は自分に誇りを持ち我が道を堂々と生きているので、迷ったり立ち止まったり自己分析に明け暮れているのは自分だけと思っていました。この本を本屋で見つけて帯の「嫁がず、産まず、この歳に」でツボにはまってしまいました。<P>まるで自分の事を書かれているようで笑ったり、「そうそう」とうなずいたり、鋭い指摘に本を閉じてしまったりとずいぶん楽しむ事ができました。<BR>確かに私は負け犬だけど、その道を選んだのも結局は自分なのだから負け犬らしく生きていこうと決心しました。<負け犬>の皆さん、仲間はおおぜいいるようですよ。ぜひ一読を!

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