今、この、たくさんの方のレビューを読んでおられる方は、その深い悩みの解決の入り口に立っていると言えます。「この本にもっと早く出会っていたかった」それが私の今の気持ちです。私自身、この本に出会って、おぼろげだったものが、かなりしっかりと霧が晴れていくように解ってきたという感覚を実感しています。内容には、きっとかなり衝撃的な印象をもたれると思います。子は親を選んで産まれてくることを許されません。そして、親に対する悪い感情は、社会的にタブー視されることも多く、自身から自然に感情を発現させることができないために、抑うつ的になって長く苦しむことになるのだと思います。今や中年となてしまった私も、長い間、「親を変えよう」と試みていました。「自分の気持ちはいつか必ず理解してもらえるはず。何故なら、私の愛すべき親なのだから」 そう考えていました。しかし、現実は徒労でした。その後は、あきらめの気持ちになって行ったと思います。その頃から、破滅的な生き方になったと感じます。本書は、自身の感情のコントロールから、対応の仕方まで書かれています。すべてを本のとうりに実行するかどうかは別としても、気が付かなかった問題を理解するため、真の自分自身を取り戻すために、一読をお勧めします。かなりの覚悟が必要だと思います。しかし、勇気を出して！！！
私は心理的（情緒的）虐待を主に受けて育ちました。<BR>これまでの虐待関係の書籍では、身体的虐待やネグレクト、性的虐待のことは語られても、情緒的虐待について詳しく述べられたものはあまりありませんでした。この本は情緒的虐待に初めてスポットを当ててくれた画期的な一冊だと思います。<P>私はこの本を読んで泣きました。少しずつ読んでは泣きました。<P>書籍を介して一種のセラピー的なものを著者から受け取っていたのだと思います。<P>この本の中で、特に「親を許さなくてよい」という主張は瞠目に値します。<BR>各種心理学関連書籍で「ゆるしがいやしにつながる」といった主張をされている方々がおられますが、こと虐待に関しては絶対に違うと思います。<P>虐待していた親を許すということは、自分が虐待されていた状況を許すということです。自分は虐待されても仕方なかったんだと認めることです。<P>そんなことはできません。私も、ほかの誰だって、世界中の誰だって、虐待されて当然な子どもなんていません。<P>だから、私たち虐待を受けたものは、「親が未熟だったのだ」「親が間違っていたのだ」というところから、自分の価値観を見直す必要があるのです。<P>最近衝撃的な虐待事件が相次いでいます。表面的に一種の社会現象と捉えて済ましてしまう人もいるかとは思います。<P>でも、本格的に虐待とはどんなことなのか、人にどんな影響を与えて、どんな治療がなされるのか、といったことに関心のある方にはお薦めの一冊です。文庫化で購入しやすくなっていますし。<P>どうか虐待問題に関する知識を、もっと、みんな、もってください。
私は職業柄いろいろなお悩みを聞かせていただくことが多いのです。その中で本書が大変有用でした。最大の収穫は「子どもを虐げた親を許す必要はない。むしろあなたのせいでこうなったと言い続けるべき」という事を教えられたことです。<P>「あなたを産んでくれた親なんだから許してあげなさい」という倫理観に縛られて苦しんでいる人のなんと多いことでしょうか。私はこの本でかじった程度の素人ですが、「親を許す必要はないですよ」という会話から始まって、実に２年かけてとうとう医師から「もうあなたは来なくて大丈夫ですよ」と言っていただけるようになった方があります。周囲から「親を許しなさい」と言われていた間は全く良い方に向かわなかった方です。今その方はこれまでの反動でかなりしんどそうですが、それでもそれまでの人生と全く違う歩き方をされています。<P>もちろんこのケースを一般化するつもりはありません。あくまでご本人と医師との連携と努力の継続が一番重要と思います。それを見守る者がふまえておくべき常識として、一読をお勧めします。
