電磁場とマックスウェルの方程式、電磁場の量子化、重力場としての曲がった空間の解説は、<BR>とてもわかりやすくてためになった。<BR>が、”くりこみ”の話あたりになると、私のみたいな素人には全然ついていけない。<BR>カバーに「高校生でも納得できるように解説します。」あるが、最近の高校生は優秀なんだなあ。<P> ところで、著者としては、読者の親しみやすい本にしようという意図があるのだろうが、<BR>冗長な文、脱線が少々すぎるように感じた。(私は「銀河鉄道の夜」の解説を10ページも読むためにこの本を買ったのではない。)<BR>また、細かな間違いが散見される。(例えば、図53-2。私は自分の考え方がおかしいのかといたずらに悩んでしまった。)<P> 結局のところ、さらに勉強していきたいと思った。
これまでの同類(物理)の啓蒙書にはない、読者が理解できるにはどうしたらよいかという観点を非常に大切にした良書と思います。いわゆる「数式はつかわない」説明ではなく、「その数式はなにを意味するのか説明してみましょう」という、まさに一物理ファンとして長年求めてきた(当たり前のことなのになぜかこれまではなかった)啓蒙書だからです。本書をよみおえた貴方は小生同様きっともう少し専門的な本にも再挑戦しようという勇気がフツフツと湧いてくることと思います。 著者の竹内さんは、その物理博士号取得にいたった、本来自家薬篭中の理解にいたるヒント、トピックス、参考図書を惜しみなく開示してくれているように思います。科学者にあこがれてはいるが躊躇している中高生のみなさんや、小生のように現代人としてなんとかもう一歩理解の度合いを深めたいのに、いま一歩だなあという方々にはお勧めの一冊です。
竹内さんの本は相変わらずわかりやすくて楽しめる。<P>昨今は理論の本質的な部分をよく理解してもいない 困った人々に限って啓蒙書を出版したがるもの。 「~~理論は間違ってる」とか主張する書物がそれだ。 多くの場合、こうした書物は著者の理解力不足による 誤解なのである。そして誤解が出版されれば 他者までその影響が及んでしまう。 これでは全く教育的とは呼べない。<P>竹内さんの本はそうした二流の書物とは 一線を画している。 なにより、竹内さんは物理学の学位をもって おられるわけで、だからこそ 本質をえぐり出した明確な叙述がなされ得るのである。 下手な解説書を読むより何倍も理解が進むであろう。<P>この本では最新のトピックスである「ヒッグス」についても触れられている。その点も大いに評価してよいだろう。