新装版 マックスウェルの悪魔―確率から物理学へ みんなこんな本を読んできた 新装版 マックスウェルの悪魔―確率から物理学へ
 
 
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新装版 マックスウェルの悪魔―確率から物理学へ ( 都筑 卓司 )

 まず、この本は非常にわかりやすいです。<BR> 難しいことを難しく述べるのは簡単なことですが、難しいことを簡単に誰にでもわかりやすく説明することは、本質をはっきりと捉えていなければ出来ません。<BR> この本は、中学生なら間違いなく、或いは小学生でも、熱力学を理解出来るように書かれています。<P> でも、子供向けではありません。難しいことを省いてはいません。難しいことを省略して却って理解を中途半端に終わらせるという本ではありません。エントロピーの概念でさえ、わかりやすく説明しています。<BR> 理想の科学解説書の一つと言えるでしょう。<BR> 世間にあまたある眠気を催す学術書の作者達に、これを手本にしなさい と言いたい。

エントロピーはわかったようでわからない漠とした概念の一つだ。著者は巧みな比喩を使い、その概念を感覚的に理解させてくれる。使えないエネルギとは何か?なぜ空気は降り積もらないのか?ともにエントロピーが関与している。<P>この本は1970年に出版された同タイトルの新装版だ。その一節に2000年の予言が書かれている。エントロピーが増大する結果、世の中はどうなるのか?著者の予言は、今の不景気で焦臭い世の中を見ると当たらずしも遠からずと感じる。著者は今は亡き人だが、この本は後生に残したい名著である。

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