この本は従来の論理思考の解説にとどまるものではなく、どのようにすれば思考力を正しく発揮できるようになるかを ”思考を活性化する7つの基礎習慣”としてすぐ使える形で提示してある。<P>また、”思考の3つの基本動作 :分ける、まとめる、置き換える”は<BR>論理思考の使い方をもっともシンプルにわかりやすく解説したきわめて実用的な概念だと思う。<P>「どうすれば思考力を実生活で鍛え、生かしていけるのか?」という疑問をお持ちの方におすすめ!
『ビジネススクールで身につける思考力と対人力』からずっと著者の本を読んでいるが、その中でも「お役立ち度」は間違いなくNo.1。思考停止や思考不全状態になっていないか? と斬り込まれ、「放棄」「依存」「歪み」「偏り」とその症状を実例とともに提示されるや、「ああ、これオレじゃん」とドキドキした。 思考力ブームといった風潮もあるが、著者がさまざまな企業の異なる年齢、キャリアの人を相手に感じ取った、思考力云々以前の、「自分の頭で考える」力が失われている現状。この記述にはリアルな迫力がある。 論旨は明確だし、会話体、図版、事例もふんだんに織り交ぜられていて、あっという間に読めてしまうが、その内容は間違いなく濃い。おすすめです。
現代人の陥りがちな「思考停止」や「思考不全」などの症状を、生活習慣病に喩えて解説するというユニークなアプローチをもつ思考力強化の本。<BR>やや堅苦しくもあるタイトルとは裏腹に、非常に読みやすく分かりやすい内容である。<P>豊富なコンサルティング経験の中で著者が発見したビジネス上の実例を交え、「思考の生活習慣病」の症状、原因について述べられている前半。後半は、それへの対症方法と予防方法について思考方法の変革を学びながら読者がつかんでゆける構成となっている。後半は著者の他の著書を読んでいる人には馴染みの内容かもしれない。<P>よく書けている本である。特に「思考の生活習慣」を改善した後にそれを組織でどのように生かすかに触れた最終章がすばらしい。欲を言えばその最終章をもっと濃くしてもらっても良かった。<BR>自身の思考方法を健康診断するつもりで気楽に読め、かつ組織改革へのヒントを得られる快著である。