私にとって最も価値があると思ったのは、メンタリティの異なる男と女がなぜ夫婦になるのか、そしてなぜ子供を含めて家族を育んでいくのかを実に平易な言葉で説明している点。しかも説教臭くないのがよい。また表題にあるように、娘が父親の何をどうやって見ているかを説明しながら、なぜ娘に受け入れられないか、その原因はなにか、解決策はあるのか等々、娘との関係維持・改善の手だてを紹介しているセクションも分かりやすい。筆者は動物行動学者だそうで、娘が年齢に関わらず父親を見る動物的視点を説明しているのは新鮮。
父親に傷つけられた女性は、結婚後無意識に夫に復讐する、という話にはギョッとさせられた。些細なことで大喧嘩になり、原因もはっきりしないのだが、実は幼少期の環境に問題があった、というのは確かにありそうな話である。そういう女性と知らずに結婚してしまったら...? 本書には対応策も書かれている(上手くいくかどうかは分からないが...)。<P> 3章の「妻との絆」は少し説教くさくて、あまり面白くない。しかし全体として、著者の指摘には「なるほど」と思わせるものがある。著者は動物行動学者で、本書のテーマは必ずしも専門ではないが(追記に説明あり)、その洞察力は本物と言える。
他の著作を見ると、ほとんどエッセイですよね。<BR>岩月先生の本というのは。<BR>なんで、生物学の先生が恋愛論?って感じを受けた事があります。<BR>この本を見ると、この先生のバックボーンが分かって面白いです。<BR>ザリガニの共食いや猫は自分の子供を見捨てる、などと同様に人間の恋愛も生殖活動で雌(女性)が、主導権を握っている。<P>恋愛しているつもりでも、よき配偶者を見つける為に、冷静に雄の判定をしているのだ。<BR>論理に飛躍・無理があるけれども、興味深いです。<BR>こういった考えを基に、色々な生物や人間の行動についての推論ができるのが楽しいですねぇ。