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生命のバカ力―人の遺伝子は97%眠っている ( 村上 和雄 )

私たちが持っている遺伝子は決して固定されたものではなく環境次第で働きが変わるというのが、本書の基本的なコンセプトである。だから火事場のバカ力が出る。日本で不登校の高校生がアフリカの子供の貧しい状況を見て発奮して教科書を送る仕事を始め勉学に目覚める。成績不良のアインシュタインが特許庁勤めで自由な時間ができた結果、独創的な研究が生まれる。また、糖尿病の人がお笑い漫才で笑った後で、血糖値を下げる遺伝子がONになり、血糖値が下がる。<P> このように遺伝子を活性化させる、すなわちOFFをONにすることをベースに、村上教授は自分の研究歴を振り返り、いかにして業績を上げたかのノウハウを明らかにする。論文発表等がデイ・サイエンス(昼の科学)とすれば研究の秘訣はナイト・サイエンス(夜の科学)という。著者が明らかにするノウハウは例えば以下の事項である:<P>①欧米は厳しい競争社会とは言え、日本以上に飲み食いしながらの情報交換が重要である。<BR>②自分の研究業績を懸命にアピールすることは重要で、単に論文投稿するだけでなく海外の学会に行って発表することも必要である。<P>③「その道の権威」というのは過去の業績に対する評価であって、その人のいうことが常に正しいとは限らないので、疑ってかかることが重要である。<BR>④研究には資金が必要なので、身銭を切る、時には借金をして予算に認可が下りる前に研究をスタートすることも必要である。

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生命のバカ力―人の遺伝子は97%眠っている
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