こういうテロリストを描く作品は、大抵は鎮圧されてしまうし、破滅的な結末は主人公等の活躍によって阻止されるものである。この作品も例外ではないし、そうでなければそもそも物語は成立しないとは思う。しかし反乱自衛官らの心情が理解できるだけに、いつしかテロリスト側に感情移入してしまった。これも作者の狙いの一つかもしれないが。そのためにラストに近づくにつれて先が読めるようになり、そして想像通りの結末を迎えてしまうと、残念な気がしてしまった。小説なのだし、予定調和的な結末を裏切るような破滅的結末でも意外性があって良かったのでは?
上巻と一緒にこちらも買っておきましょう。<BR>特に地方で周囲に大きめの本屋がない人は、そうすべきです。<P>でないと下巻が届くまでの間、続きが読みたくて読みたくてのた打ち回ることになりますよ。<BR>心からの忠告です。
これを読んだ後に「終戦のローレライ」を読みました。<BR>どちらも作者の筆力に圧倒され、重厚な内容にもかかわらず、気付けば爽快なラストを迎えていました。<BR>共に☆5つでは足りない傑作でしたが、やはり、私の中の最高傑作はこの「亡国のイージス」です。登場人物たちが最高に情熱的にかかれています。涙なしには読めません。<P>私の家内が入院中、退屈しのぎに本が読みたいというので、ちょっとヘビーかなと思いつつもこれを持って行きました。<BR>「アルジャーノン・・・」もいまひとつ、「ハリー・ポッター・・・」もつまらない、などと言ってた家内が、おもしろかったと絶賛したことからも、とっつきにくいが読めば万人の心に響くという物語の質の高さが伺えました。