私自身が著者の酒井順子さんに負けないくらい怠惰で面倒臭がり屋だからかもしれませんが、読んでいて「そーそー分かる分かる」とか「なるほど、少子化の原因はこういう理由もあったのか」と思わず納得ずくしの1冊でした。酒井順子さんが個人的に子供を生みたくない理由も満載なのですが、少子化を食い止めるためにはこういう案もどうだろう?という妙案も出されていますので、誰が読んでも楽しめる内容だと思います。<P>この本を書かれたことで酒井さんは多少非難を浴びたそうですが、それは皆が心のそこで思ってはいるけれど、でも世間体や非難が怖くて言えないという、モヤモヤした気持ちをズケズケと言われた事への嫉妬であり、すでに子供を生んで後悔なさっている人の「お前だけ楽しやがって!」という悔しさ以外の何物でもないと思います。<P>木を見て森を見ないような、ある特定の語句や文節だけに過剰に反応し「こんな事言われた!キーーーッ!」というような分別のない方は読まないほうが自分の正当性を保っていられるのではないかとも思います。<BR>そういう人も、自分を客観的に見つめるためにも読んだほうがいいのかもしれませんが…。
女性の生む権利が,大幅に認められました。女性の産むことについて,支援は,できても,強制は,できないでしょう。独り者が,増えていくのも仕方ないですね。医学進んで,苦痛取り除くのに,何年かかるか。
「なぜ子どもを産まないの?」という質問に対して、「欲しくてもできないの」と答えれば、尋ねた人は(悪いこと聞いちゃったな)と思うでしょう。「欲しいけど産まないの」と答えれば、(今の日本じゃ、その気持ちもわかる)と同情が帰って来る。でも、少子化が問題になっているときに「欲しくないから産まない」と答えるのは、「王様の耳はロバの耳」と叫ぶ床屋のようなもの。この本は、今まであまり表沙汰にならなかった、「欲しくないから産まない」派の声です。読む人によってわかる、わからないが別れるでしょう。日本は少子化とはいえ、いまや世界人口63億。ほんの30年ほど前に「世界人口36億」と習った身としては、「子どもは欲しくない」と思う人の出現も自然の摂理かも、と思います。