世の中なかなか給料が上がらない.むしろ下がることの方が多い.<BR>そんな世の中の波をくぐり抜けるためには借金をしないことが一番である.<BR>第1章では表題通りの借金をしないための生活術がおもしろく書かれている. <BR><BR>第2章からは読者からの人生相談に横田さんが答える形になっている.<BR>これは余計な煽りを入れたりせずに慎重すぎると思うほどの対策を述べて<BR>いる所に横田さんの誠実さを感じた.「マネー誌は金融機関に不利なことは書けない」<BR>とか「「マトモな借金に保証人は不要」などはなかなか気付かない事だと思う.<BR>私の所にもマンション投資の電話がよくかかってくるのだが,話を聞いてみると<BR>キャッシュフローがマイナスだわ,30年ものの借入金利を変動金利にしているわ,<BR>固定資産税や修繕積立金を計算していないわ,最低の会社ばかりであった.<BR>「うまい話は決して向こうからやってこない」という事を付け加えたい.<BR><BR>また話の節々に金融落語があるのですが,特に(失礼なことだが)笑って<BR>しまったのは「イメージCMにはわけがある.」「お笑い・日本版エンジェル」であった.<BR>うまい話には裏があるのをおもしろおかしく話していてお薦めの本である.
金融機関の相談窓口 <BR> フィナンシャル・プランナーと肩書きがついても<BR>企業のサラリーマンだから、<BR>企業の利益優先の「運用プラン」を提示してくる。<BR> 顧客のことを考えてつくっているのではない。<BR> だから、金融機関によって言うことがマチマチ。<P> うすうすそうではないかと思ってたんですが、ここまでハッキリ<P>文章にしているのを読んだのははじめてです。<BR> 本当のことを書いてくれているんだな、と思いました。<P> 他に、アパート建築による資産運用<BR> 有利な贈与<BR> 子供の学費が払えない<BR> 借金の保証人<BR> 転ばぬ先の「融資実績」<BR>など、<BR>今すぐ役に立つ相談が載っています。<BR> 相談者のために考えた回答ばかり<P>(浮気による離婚はちがいましたが)ですので、<BR>読後感がとても良いです。<P> 苦労して稼いだカネというのは、自分の中でちゃんと<BR>価値がわかっている。<BR> そういうカネが、「管理可能なカネ」…有効な使い方が<BR>できるし、無駄にしない。<P> というくだりには、うなずかされました。
単行本の時、既に一回読んだことのある本ですが、今回もう一度購入。丁寧に、しかも大々的に内容が改訂されていて、驚きました。<BR>横田氏の文庫は、この本に限らずどれも文庫化時に大幅改訂されるので、とてもお得感がありますね。<BR>常に最新の、タイムリーな項目が加えられていて、今回も前半はほとんど書き下ろしでした。<P>他の著者の方も、古くなった単行本を、そのまま安易な形で文庫化するのではなく、このように手間暇を惜しまずしてくれると、文庫ファンとしてはありがたいです。