~黒田硫黄のプロフィール上のいくつかの逸話からも、この本が「ちょっと売れたので調子のって他分野にも顔つっこんじゃった」式の本ではないことがわかる。本書を読めばもっとわかる。<BR>~~<BR>良いとか悪いとかいって褒めたり貶したりしながらこの映画オススメ~とかやるのが批評だとすれば、この本はそれほど明確に「映画批評」しているわけではない。むしろ、どこか個人的な「映画感想記」のようなものである。それは、読者への一定以上の配慮を保ちながらも、黒田の姿勢が読者よりも映画作品へと集中しているからではないかと思う。したがってこの~~本を読むことは、黒田硫黄に映画の解説や案内をしてもらうというよりは、黒田が映画をみながらあーでもないこーでもないとブツブツやっているのを隣で盗み聞きするのに似ている。しかしそれだけに、黒田マンガの創作の裏側がかいまみえるような気がする。彼のマンガの想像力は、案外映画に多くを負っているのかもしれない。その意味で、黒田硫黄というマンガ~~家を信頼し、彼が書けばとりあえず読むという人は、当然この本も読んだ方がよい。ちなみに小生は、トイレに置いてうんこをしながら読んだ。2ページで映画1作品なのでちょうどよし。~
ヤングマガジンアッパーズで連載中の黒田硫黄氏の映画批評を単行本化。<BR>61本の映画それぞれに1~2ページの批評漫画が掲載されています。どれも批評として優れているだけではなく、読み物としても充分に読ませる出来となっています。特に「千と千尋の神隠し」に対する批評は、バランス感覚に優れていて一読の価値ありです。<P>映画マニアの方も、黒田硫黄ファンの方も満足できるお得な品ではないでしょうか。おすすめです。