桜野タズサ。<BR>口達者で生意気で高飛車な、超美人天才フィギアスケーター。<BR>だが、オリンピックシーズンになって、異変をきたす。<BR>突発性タズサ症候群・・・。<BR>世間ではこう呼ばれているこの現象は、ある理由があった。<BR>ピート・パンプスというカナダ人の幽霊に取り憑かれたのだ。<BR>感覚すべてを共有してしまうことを知った彼女は大暴れ。<P>しかし、彼の言葉に優しさを感じ始めて・・・。<P>ストーリーの構成、登場人物の個性、文章力、最後まで飽きさせない展開。<BR>どれをとっても新人とは思えない出来。<BR>思わず泣きそうになってしまいました。<BR>こんなすばらしい本に出会ったのは久しぶりです。
単刀直入に一言「はまった」<P>表紙のイラストに惹かれて手に取った文庫本だが、中身を読んでどつぼにはまった。<P>これまでフィギュアスケートというスポーツにはあまり興味がなく、オリンピックですらあまり観戦することはなかった。所謂食わず嫌いにあたるのだろうが、採点の基準もはっきりしないし、技術的な難易度もよくわからない。とにかく自分にとってとっつきにくいスポーツだったのだ。<P>しかもそれを文章で表現するというアプローチ(小説だからそれは当り前なのだという突っ込みは今回はなし)。登場人物達の心情や振る舞い、繰り広げられるドラマを楽しめればそれで十分なのだと思っていたのだが、なんとこの作品では、スケーティングの動きが何となくイメージできてしまう。驚いた まったく!いた。昔習った国語の授業を思い出してみれば、これは随筆にあたるのではなかろうか。<BR>なんと、こんなところで思わぬ作品に出会ったものだ。うむ、天晴れ。<BR>続けて続編も読むのだ。