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「わからない」という方法 ( 橋本 治 )

 何かと世の中、わかることを求められます。 わからないと「どーして解らないんだ。」と鋭い視線が向けられます。 そこいら中には「私はわからない。」と言えない空気が漂っています。 <BR> 世の中のみんなが「わからない」と言って頭を抱えてしまうと世界の流れが停滞してしまいます。<P> しかし、わからないのは依然としてわからないままです。 私は自分も解らないが、自分の子供が解らない。 そして、幼稚園教師の前で「わからない」というと「お母さんがわからないものを、私たちがわかるわけないでしょう。」という返事が返ってきました。 あなたはそんなに何でもわかっているのか。 おそろしい。<P> 走りながら考える。 解らないからやってみる。 とにかく飛んでみる。 地をはっていく。 そうすることで、何かが掴める。 わからないなりにも自分が気になるなら、ボロボロになるまでそれと格闘し続ける。 しかし答えはいつも無い。無い。無い。 覚悟せよ。 と、これを読んで再認識しました。 

「使える新書」で紹介されていた事と、題名の分かり易さに惹かれて購入しました。<P>筆者の文体は独特で、多くの人にはくどい!と思われる物です。でもそのくどさは、筆者が”分からない”状態を出発点に調べ、書いた物であるので必然的なものだそうです。<P>会社においても学校においても、私達は多くのことに対して”分かる”すなわち”理解する”事を求められています。ところが、どう分かればよいのか全く分からない場合が多い事も事実です。それは、何をどう分かれば良いのかすら分からないからだといいます。そんな時には、手当たり次第に何でもやってみれば方向性が見えてくるとも言います。分かるためには、この方向性の把握が肝心と言い切っています。<P>また、”分かる”の過程において頭を重要視しすぎると、それは単に暗記になると言っています。体を使って体に染み込ませたものが本当に”分かった”事なんだと。だから、上っ面で勉強するのではなく、腰を据えて本気でこつこつやらなければならないと。<P>勉強することの真髄を見せる、大変優れた一冊です。

徹底的な自分の理解と、言葉の表現力に凄みを感じる。<BR>著者の方法は、やばい。<BR>やばくならざるを得ない凄みとやばさがあるような気がする。<BR>めちゃくちゃおもしろかった。

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