死刑執行人サンソン―国王ルイ十六世の首を刎ねた男 みんなこんな本を読んできた 死刑執行人サンソン―国王ルイ十六世の首を刎ねた男
 
 
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死刑執行人サンソン―国王ルイ十六世の首を刎ねた男 ( 安達 正勝 )

職務の特異性から差別待遇を受けていた18世紀の死刑執行人でフランス革命期にその職務についていたアンリサンソンの伝記。原資料とのアクセスの過程を大幅に省いてるのが(事情は理解するが)減点の主な理由。<BR><P>フランス革命は(ベルバラではないが)国王処刑というのがやはり一大転換期であった、日本でいうなら戦後のある時期に天皇を戦犯として日本人が死刑にしたようなもの。本作の主人公であるサンソンを含めてほとんどの人間がごく自然にブルボン王室(皇室)を敬愛してる中で、純化する革命の流れで国王処刑という一大イベントが執行される、神に近い存在である国王を自らの手で死刑しなければならないサンソンの苦悩。そしてその前提としてのムッシュドパリであるサンソン家の歴史的立場が丁寧に説明されており、息つくまもなく読ます迫力がある。<BR><P>決してフランス革命期の概説書ではないのでその辺の知識がない方がいきなり読むと、単なる読み物以外の面白さがないのでお勧めしかねるので要注意。それこそアニメ版ベルバラでもいいから見てる見てないでは大違い

フランス革命史が大好きな私にとって、また新たな視点からそれを見ることができて良かったのだが、フランス革命のダイナミズムがあまり感じられずに読了した。個人では止められない革命の波、それは指導者でもそうであったと思われるが、そこのところの描き方が類型的であったのが残念。革命当初の和合的雰囲気が強調されていて、ルイ16世も賢明な国王として描かれているが、革命が暴力的になっていくには、歴史の内部からの噴出があったはずである。

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