本屋の平積みの期間が長い・・・から気になった。<BR>この本を読んだのはそれだけの理由です。<BR>でも、佐藤 賢一さんの別の作品を次回も読もうと決意しました。<BR>作品全体がフランス映画のような、けだるいセピア色の空気に満たされつつ、内容は全国民が注目する裁判をどう戦うか。<P>人生の敗北者の弁護士のサクセスストーリー、と言ってしまえばそれまでだが、人間の愛について深く深く考えさせられる。<BR>そして、登場人物のその後の幸福を確信して読み終えられる。
いやぁ、まったく期待を裏切ってとてもおもしろかったです。<P>佐藤さんという著者も、直木賞という賞のありがたみもぜんぜん知らずに、妻の勧めに従うままに読んだのですが、一気に読みきってしまいました。(おかげで仕事の締め切りに危うく遅れるところだった・・・)<P>本書は3章でなっていますが、第一章までは正直言って、まぁまぁ、といった感じなのでしたが、二章に入るなり、話のスピード感や話の切れ味ががらっとかわって一気にわくわくさせてくれます。それでもって、最後の終わり方も、気分爽快、といった感じでよかった。<P>最後の解説で、直木賞の選考委員の方が、「痛快!!」と評しておられましたが、俗物の私から見ても、「その通り!!」といいたくなるほどでした。
大人になると、夢が現実に追い越されていく──。<P>そんな当たり前のこと、誰でも知ってる。しかし、主人公は負けない。現実と対峙しつつ、理想を求め続けていく。悩みながらもたくましく。時代や人物の綿密な描写にも脱帽。<P>世の中に凹んだときにお勧めの一冊です。