「インドはどーもよくわからんけどすごい国だ」的な感想が、おなじみの(いい感じで力の抜けている)椎名的文章の中で表現されてます。<BR>インドの神秘的部分+めちゃくちゃな部分+独特の椎名ワールドがミックスされている楽しい本です。<BR>途中に現れる子供たちの無邪気な写真も素敵。<P>インド旅行者、椎名誠ファンどちらの人が読んでも面白く、読んだあとなぜか気分が軽くなる良い本だと思います。
この蒸し暑い中、発作的にインドを旅したくなった。暑いときに暑いところへ行くのが旅の王道ではないか、と。それをやってのけたのがこの本。46度の炎熱地獄のかの地は、椎名氏のフィルターを通すとごく庶民的で生のバイタリティにあふれた等身大の国であった。<P>学生の頃、藤原新也の「印度放浪」にしびれた。しかし今は辛気臭くて受け付けない。作家も自分も妙に哲学ぶって、インドという国を崇高で何か特別な国としてとらえていた気がする。その点椎名氏は、見たこと聞いたこと感じたことを変にこねくり回すことなく、例の語りで、まさに「そっくりそのまま」あっさり文章にしている。<P>インドという国に親近感を与える一冊だと思う。人間(老若男女)にフォーカスをあてた写真もいい。
荒唐無稽さのなかに真実があるような気がする本です。<BR>先日、本書を携えて、インドへ行きました。<P>ステイ先のホストと、「この本のテーマは、空中を飛ぶヨガの先生を、インドでさがすことなのです!」といって、笑い話の種に使えました。ただ、日本人がインドに持つ、そうした神秘的なイメージを、十二分に伝えることができたようです。先方も、「うーーむ、3メートル飛ぶかどうかはわからんけど、精神と肉体はヒジョーに強く関係しておる・・・」といって、いろいろ話に花が咲きました。<BR>本書には、だから、感謝してます。