主人公・紀子と同じで、僕は「永遠」やら「未来」だのって言葉にすごく弱い子供だった。あの頃、「永遠」という響きの向こうには、どこか言葉の意味さえ超えた深い深い世界が広がっていて、いつかはきっと自分にも、その神秘の扉を開ける日が来るんだと信じてさえいた。<P>この本が思い出させてくれたのは、そんな少年時代のありのままの自分の姿だ。ページをめくっていくにつれ、頭の奥からキラキラと蘇えってくる、かけがえのない思い出たち。時には悔しい涙を流したこともあったし、“恋”に恋して大切な人を傷つけてしまうこともあったけれど、確かにあの頃、世界は今よりもっと単純で、根拠のない希望の光であふれていた。<P>十代最後の一年を過ごす今、この本と出会えた幸せな偶然。作者の森絵都さんに、心から感謝の気持ちを伝えたい。
「カラフル」「DIVE!!」などで思春期の少年・少女に大人気の森絵都さんの児童文学の枠を越えて綴られた始めての作品。<P>大人の人は「森絵都?知らないよ。」というだろうけど、中高生の間ではカリスマ的人気作家である。「カラフル」は児童文学としては異例の売れ行きを示しているし、「DIVE!!」は早くもいくつかの漫画化・映像化のオファーが来ているという。<P>平凡な少女の小学4年から高校3年の何でもない日常を時にユーモラスに時にせつなく1年ごとに綴り上げ、最後に鮮やかな絵画を描き上げる手腕はさすがと言うべき。<P>「小説すばる」に不定期に連載されたものをまとめた作品。連載時のイラストがなくなってしまったのが少し淋しい。
つくづく、森絵都さんの本には色々な物が詰まっているな~と思いました。<BR>今まで、森絵都さんの色々な本を読んできましたが、どれも人の心を和ませ、リラックスさせてくれるものばかりだと思います。<P>この、永遠の出口という本も私を和らげてくれる本の1冊です。<P>主人公の女の子の成長していく姿をリアルに、そして女の子を取り巻く周りの反応の1つ1つも細かく書かれています。<BR>でも読んでいてまったく疲れない本です。むしろ、早く先が読みたいという気持ちに駆られて、自然と読むスピードが早くなりました。<P>だけど、まだ終わって欲しくない…そんな、気持ちにさせてくれるこの永遠の出口という本は、多くの人に読んで欲しいと思うし、むしろたくさんの人が読むべきだと思います。<P>この本を読んで自分の考えが180度変った!とは言い過ぎかと思いますが、少なくとも自身の何らかの心の変化はあるのではないでしょうか。