さすが東野さんだけあって、内容は面白いです。<BR>しかし、白夜行と比較するつもりは、ありません。<BR>表現手法も変わっています。<BR>あの、主人公達のアウトライン、もしくは、行間から想像する事でしか<BR>判らない、彼らの哀しみは、本書では出ません。<BR>もう少し、女性主人公の背景に何かがあるのが判れば、よかったのですが、<P>私からは、欲望しか見えてこなかったのが、「白夜行」との大きな<BR>差になりました。<BR>でも、徹夜して読みました。久々です。<BR>あと、スクリーンセーバー気に入ってます。
阪神大震災を作品の背景にしたという点で関西人であるオレとしては星1つプラスである。あの時のどうしようもない敗北感、虚脱感の描き方は関西人には大いに共感できる。<P>常人離れした強さ、美しさ、野心を持つ女・美冬と暗い過去を持つ男・雅也が震災をきっかけに出会う。"あの作品"を読んだ者ならこの導入部だけで早くもゾクゾクする筈である。彼女の野心を阻もうとする男達。しかし彼女の非道は微塵も揺るがない。ある男は魅入られるように、またある男は破滅を自覚する事すらなくことごとく人生を喪ってゆく。美冬の悪魔的な才覚を陰で盲目的に支え続ける雅也。愛し合っている筈の2人だが、雅也もまた彼女の生贄となるのか...<P>作中のエピソードの多くが結末に至らない、白夜行ほどのインパクトがないといった指摘は的外れでもないとは思う。しかし、この作品より面白い作品が今年中にどれだけ出るのか、500ページの長編を一気に読ませる作家が今一体何人いるのかと考えればこういった批判は読者側の飽食だと考える。それほどまでに期待されている作家でもあるとも言える。<P>唯一オレが気に入らないのは露骨な性描写が目立つ事である。星5つとしない理由はここにある。下品な描写を使わなくても充分構成可能な技量を持っているはずなのに東野の作品にはちょくちょくこういった場面が入るのがとても残念だ。もう既に国内屈指のストーリーテラーなのだから、品格も大事にしてほしいと切に願う。
東野さんの作品は全て読み、購入しています。<BR>どうしても、白夜行と比べてしまうという意見が多いですが、<BR>これは完全に、続編だと思います、白夜行の。<P>美冬は雪穂ですね、間違いなく。年齢からしても、、、、<P>美冬がどうして過去を消したかったのか、そこが描かれていないと<BR>いう意見もとても多いですが、美冬の過去は、白夜行での、雪穂。<P>だから、美冬の過去の謎が謎にしているのは、東野さんのイタズラ<BR>ですね。<P>でも、面白かったです、僕は。