週刊文春の対談で金原ひとみさんVS阿川佐和子さんでこの芥川賞受賞作品についてお2人が世代を超えて和やかに談笑されていました。<P>ただ、その小説の内容が阿川氏に言わせると過激だということと、金原さんが小学校4年くらいから登校せず、自宅で勉強し、ロス滞在中に小説を読み漁ったこと、中・高校も「特に行く必要も無し。」という寛大な大学教授でもあるお父様のもと、のびのびと執筆を自分なりに続けていた彼女に興味を持ち、最年少受賞者と並び称された「蹴りたい背中」よりもこちらをはやく手に取るべきだと本屋で選択し、旅行中に一気に読みました。<BR>男性の筆を思わせるような一見乱暴な言いまわしの裏側に女性の鋭く感覚的な内面にある奥深いものが徐々に現れてくるようでした。<BR>カレシと同棲中でもチラシの裏にメモをとり、食事をするように言葉をつむいでいた証拠とでもいうのでしょうか?<P>文章を変に難しくいいまわしているわけでなく、若者言葉も書きなれていて、その反面、なぜか世代が違う人にも理解させる力を持っていて、読者を疲れさせない底力がありました。<BR>冒頭からそこはかとなく匂わせている最悪の結末に引き込まれるようです。<BR>この人の書くものがこれから楽しみです。<P>金原氏は、学歴もなにも関係なく、自分で面白くないならそこにいる必要なしと判断できるようで、包み隠さずリストカットや不登校の過去を淡々と話されていました。<BR>理解者であり小説の指南役でもある父親から「もっと恥ずかしいものを書け。」と放たれた渡り鳥のようです。<P>文章に携る職(方向)に進みそうなのは、彼女自身のもともと持っている好奇心かもしれません。
現在世界中に人体改造マニアはたくさんいますが、そのほとんどがそういった嗜好を隠して生活しているのが現状ではないでしょうか?はっきり言って「こんな事、公に書いていいの?その上芥川賞になんて選ばれてもいいの?」という感じでした。これは人体改造が日本社会に認められる礎となる最初の一投になる作品ではないでしょうか。<P>ただ、コンパニオンの業務内容やピアッシングに付いての知識の誤り、ピアッサーや彫り師について誤解を招く記述がされている点が少々気になります。SMと人体改造はまた別物ですから。<P>ですが、それを差し引いても十分に読む価値のある作品だと思います。特に人体改造マニアの皆さんにオススメします。とても癒されますよ・・・
内容というより、ところどころの表現や事前取材の少なさが顕著なきがする。ピアスやピアッシングについてもそうであるし、タトゥーにしても、もう少しいい描写はできなかったのか。少しピアスをしているだけの私にさえもわかるような前提さえも理解せず、それっぽいことを書くことでアンダーグラウンドな世界への偏見を助長するような著作であるとさえおもえた。(もちろんそれがアンダーグラウンドな世界の宿命であるのだが)ほんとは☆1つにしたいが、知らない人にとっては新鮮な世界なのであろうし、ストーリーもつまらなくはないであろう。